三つよりの糸

 祈祷会で民数記を読んでいます。名前に反してちょこちょこ笑わせてくれる私の「押し」の1冊です。モーセ五書は、バビロン捕囚を体験したことで衷心からの悔い改めへと導かれたイスラエルの改めての信仰告白だと言われますが、5つの書物を読み比べることで背後に多くの「筆」「書き手」を感じることが出来ます。

 さて今週金曜日に読む20章ではアロンが神さまの召しによってこの世を去っていきます。有りし日、彼は口下手なモーセのスポークスマンでした。また祭司職の元祖でした。そして時に人々の声に負けて偶像を鋳たり弟に嫉妬したり…そんな人間的な面がありつつ、しかし間違いなくモーセの最大の助け手であったのです。

 コヘレトの言葉に、ひとりが攻められれば、ふたりでこれに対する。三つよりの糸は切れにくい。(4:12)とありますが、モーセとアロンは神さまによって撚り合わされた一本の強い糸でした。肉親同士は他人同士より難しい場合が多いのに神さまはそれでもモーセとアロンを撚り合わされたのです。考えさせられます。